VR内での動画再生には動画の形式が重要です。
その中でもっとも有名で使用頻度も高いエクイレクタングラー形式の動画をご説明します。
エクイレクタングラー(equirectangular)
日本語で正距円筒図法といい、地図でよく見るメルカトル図法に似ています。
メルカトルは正角円筒図法といい、ちょっと違います。
メルカトル図法は円の中心から見て表面を円筒に投影したものです
経度も緯度も直角に交わります。しかし、距離は正確ではありません。地図上の点と点を結んで距離を測っても意味はありません。
エクイレクタングラーは球の表面を円筒に広げたものです。
まずは舟形多円錐図法をみてください。
これの横方向の隙間を広げて埋めたものが
となります。これが正距円筒図法つまりエクイレクタングラー形式となります。
メルカトル図法と違い、縦方向は実際の比率と同じになっています。
この形式の利点は、
球の内部にテクスチャとして貼るだけで(歪みのない各地点が正しい位置になる)全球映像になることです。
(上記画像はhttp://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/tsato/graphics/map_projection/を使わせていただいております。ありがとうございます。)
直径10mの球体をイメージしてみてください。その中にエクイレクタングラー形式の画像が内側に貼ってあります。そこの中心でまわりを見渡せば、その画像の場所にいるような間隔になることができます。
これを左右360度、上下180度見渡せるということで360×180という表現をすることもあります。たんに360動画と表現することもあります。
エクイレクタングラー形式の動画は、横と縦の解像度の比率が2:1という条件があります。
一般的なフルHDと呼ばれる解像度の場合、
横が1920ピクセルとなりますので、その半分の960ピクセルが縦になります。
1920×960ピクセルです。
とくにモバイルにおいて、1920×1080のフルHDという解像度が動画を再生できる解像度の上限である場合がありますので、その場合の解像度はだいたい1920×960になります。
PCなど4K解像度の再生ができる場合は、フルHDの1920の2倍である3840ピクセルが横になりますので、
3840×1920
という解像度となります。
ちなみにOculusRiftは視野角110度、解像度は1080×1200です。
全周360度の画像であることを考えると、
360/110 x 1080 = 3534となり、4K解像度であればOculusRiftの性能を引き出すことができそうです。(ただし横方向のみの計算)
VirtuaWorkでは拡張子になにも指定しなければ、自動的にこのエクイレクタングラー形式と想定して表示します。